文法のお話を交えながら、こちらのしおりに書かれていることを解読していきます。

今回は、9番目のフレーズ ”Per far conoscere esseri e cose che non si potrebbero mai incontrare di persona” [ペる ファる コノッシェれ エッセり エ コーゼ ケ ノン スィ ポトれッベろ マーイ インコントらーれ ディ ペるソーナ]を見ていきたいと思います。

 

◆Per far conoscere esseri e cose che

Per は「(~する)ために」という意味でした。

 

far は、「~する」という意味の動詞 ”fare”です。

fare conoscere よりも、 far conoscere としたほうが発音しやすくなりますので、ここでは語末の ”e” を落とした形になっています。

 

「fare +不定詞」で、使役「~させる」を表す事ができます。

conoscere は、「知り合う」という意味ですので、fare conoscere では、「知り合わせる」という意味になります。

 

esseri は、「存在」という意味の名詞essere の複数形、

cose は、「もの」という意味の名詞cosa の複数形です。

esseri e cose で、「存在やもの」となり、conoscere の直接目的語にあたる部分です。

 

che は関係代名詞で、che以下の内容が esseri e cose を修飾しています。

 

◆non si potrebbero mai incontrare

potrebbero は「~できる」という意味の動詞 potere の、条件法(現在)の三人称複数形です。

まず、potere の条件法現在の活用を見てみましょう。

上記のように活用語尾は、-rei, -resti, -rebbe, -remmo, -reste, rebberoとなります。

 

条件法は主に、「ある条件の元において起こりうることがら*」を表します。(名前は『条件法』ですが、「条件」を叙述するのではなく、ある条件の元で「起こりうることがら」を叙述します。)

「もしも~であれば、~だろう」のように、仮定のニュアンスから発展して、願望**・可能性***などを表したり、語調を和らげる****ときにも使われます。

 

*Senza l’esame, non studierei!「試験がないなら、勉強しないんだけどな!」

**Fa caldissimo oggi! Vorrei andare in piscina!「今日は暑いな!プールに行きたい!」

***Marco potrebbe saperlo.「マルコはそのことを知っているだろう」

****Vorrei provare queste scarpe.「この靴を試着したいのですが...」

 

si は「受け身のsi」です。

mai は「決して~ない」という意味の副詞、

incontrare は「出会う」という意味の動詞です。

non si potrebbero mai incontrare では、「決して出会うことができないであろう」という意味になります。

 

di persona は「本人みずから」という意味です。

 

それでは、文全体を見てみましょう。

”Per far conoscere esseri e cose che non si potrebbero mai incontrare di persona”

「決して本人が出会うことはできないであろう存在やものと知り合わせるために(本は贈り物として適している。)」

 

次回は、10番目のフレーズ ”Perché ha la capacità di trasformare il piombo in oro”を見ていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。