先般、このTERRAブログを介して、ヴェネツィア東洋美術館収蔵の「女乗物」についての情報提供を広くお願いしました。
すると様々な分野の方からの貴重な見解、また温かい応援のメッセージを頂くことができました。
私共の不躾な発信で恐縮でしたが、大変真摯に向き合ってくださり、皆様に感謝の思いでいっぱいです。
まだ解決には至っておりませんが、今後もさらに調査を深める所存ですので、
どうぞ引き続きのご協力、情報提供などをお願い申し上げます。
さて、そのような貴重なご指摘の中で、至急、私共が訂正をしなければならない点が見つかりました。
それは女乗物の表に描かれている家紋です。
これまで私どもは「桐揚羽蝶紋」と解しておりましたが、家紋の専門家からのご指摘で、「桐蝶」ではなく、「柏蝶」だということです。
このご指摘は、日本家紋研究会の会長を務める高澤等氏に頂いたもので、「葉」や「葉脈」の部分は「柏」であり、「桐」ではないと強調されています。
これについては、他の「柏紋」を調べてみると明らかで、「柏」と名のつく紋は同じ葉の意匠をしています。
この点につきましては、私共の勉強不足をお詫びするとともに、高澤氏のご指摘の通り、至急訂正させて頂きます。
今後、本品は「黒塗柏揚羽蝶紋彩綾形文蒔絵女乗物」として調査を進めさせて頂きます。
高澤様のご協力とご厚意に心から感謝を申し上げます。