すでに多数の漫画作品のみならず、Netflixのアニメ作品も作られるなど、世界的にその名を知られるイタリアの人気漫画家ゼロカルカーレのデビュー作をご紹介します。

いま、イタリアで最も重要視され、世界中にその名を知られる漫画家といえば、ゼロカルカーレ(Zerocalcare)を置いて他にいないでしょう。彼の作品が持つ圧倒的な熱量は、単なるコミックの枠を超え、現代社会の歪みを映し出す鏡となっています。

彼の漫画作家としての評価を決定づけたのが、絶賛クラウドファンディング実施中の作品『アルマジロの予言(La profezia dell’armadillo)』です。 本作は、自らの分身である主人公と、その「良心」の象徴であるアルマジロとの対話を通じて、徹底的に自己の内側を見つめる物語です。

Thousands of Books クラウドファンディング『アルマジロの予言』

ゼロカルカーレの魅力は、個人的な内省に留まらず、それが世界的な連帯へと繋がっていく点にあります。 シリア内戦時のクルド人支援活動に従事した経験に基づき描かれた『コバニ・コーリング(Kobane Calling)』は、国際的にも高く評価されました。 この活動は、世界的な名著『ペルセポリス』の著者であるイランの漫画家マルジャン・サトラピの目にも止まり、彼女が監修する「女性、命、自由」をテーマにしたアンソロジー企画への参加へと結びついています。

現在、アメリカによるイランへの軍事的緊張をはじめ、中東情勢の混迷は深まる一方です。これらは遠い国の出来事ではなく、エネルギー問題や国際情勢を通じて、私たち日本人の生活にも直接的な打撃を与えようとしています。そのような時に、ゼロカルカーレの作品は、まさに困難に向かう新たな視線を提示してくれるようです。

ゼロカルカーレは複雑な世界の問題を「自分自身の痛み」として捉え直すヒントを示してくれます。彼が描く「抵抗」とは、誰かを打ち負かすことではなく、他者の苦しみに共感し、自らを変容させていくプロセスそのものであると言えます。いわば、その思想と生き様が、彼の作品には率直に反映されており、それが比類のなき魅力となっています。その原点とも言えるのが『アルマジロの予言』なのです。

彼のこのような一節が見られます。

Non ha senso tentare di ritagliare la vita seguendo i trattaggi.

(点線に沿って人生を切り抜こうったって、意味などありゃしない)

「世の中が求める正解に応じて苦しむ必要などない。破れても、歪んでも、それがその人のままである方がいい」とでもいった信念は、まさに彼の作品群に一貫する姿勢に他なりません。そしてその言葉は人類への励ましのようにも思えます。

そんな彼の傑作が、サウザンブックスのCFを通じて日本語でも読めるようになるかもしれません。ご興味ある方は、こちらから詳細をご覧ください。

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