文法のお話を交えながら、こちらのしおりに書かれていることを解読していきます。
今回は、1番目のフレーズ、
10 buone ragioni per regalare un libro
[ディエーチ ブゥオーネ らジョーニ ペる ウン リーブろ]
… の後半部分(per regalare un libro)を見ていきたいと思います。
この句の中には、もうご存知の単語があると思います。
libro [リーブろ]は、「本」という意味の男性名詞でしたね。
“libro” の前を見てみると、”un” という単語が付いています。
これは、「一冊の」という意味を表すのでした。
もう少し詳しくお話すると、”un” は、「具体的にどの本」というわけではなく、「ある一冊の本」という意味を表しています。
このように、名詞の前に付いて「あるひとつの」という意味を表す語を、不定冠詞といいます。
不定冠詞は、後ろに続く名詞の性に応じて形が変わります。
例を見てみましょう。
un libro [ウン リーブろ] 「ある一冊の本」
uno specchio [ウノ スペッキオ] 「ある一枚の鏡」
uno zaino [ウノ ヅァイノ] 「ある一つのリュックサック」
una mela [ウナ メーラ] 「ある一個のりんご」
un’arancia [ウナらンチャ*] 「ある一個のオレンジ」 * “ un’ ”と”arancia”をつなげて発音します。
男性名詞につく不定冠詞は、un です。ただし、s+子音, zなどから始まる語の前には、uno が付きます。
女性名詞につく不定冠詞は、una です。ただし、名詞が母音から始まる語の前には、un’ が付きます。
“un“ と “ un’ ” について、注意しなければいけないことがあります。
母音から始まる女性名詞のアポストロフィ“ ’ “は、「もとは “una” だったけれども、次の単語の頭文字が母音なので、“a“ が落ちましたよ」ということを知らせる合図です。
ですので、母音から始まる男性名詞の前に付く“un“には、アポストロフィは付きません。
un amico [ウナミーコ*]「ある一人の男友達」と、un’amica [ウナミーカ] 「ある一人の女友達」
では、不定冠詞と名詞が連結する部分の発音が同じですので、つい ”un amico” にもアポストロフィを付けたくなってしまいますが、付けてはいけません。
*[ウン アミーコ]ではなく、[ウナミーコ]とつなげて発音します。
次回は、フレーズ後半部分(per regalare un libro)の残りを見ていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。