これまでシリーズでお伝えしているフランス漫画『無知なる者たち』の翻訳企画が、いよいよ本格始動します。

今回タッグを組む「サウザンブックス社」のクラウドファンディング企画の事前告知が、同社の公式ホームページで始まっています。

ぜひこちらから詳しい内容をご覧ください。(このままクリックしてください)

まもなく、2021年5月12日より支援募集が始まります。

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・お知り合いに情報を回していただく

いずれも無料でできます。どんな形でも、応援して頂ければ嬉しいです。

改めて、本書の概要をご紹介しておきます。一人でも多くの皆さんと、この漫画の面白さを共有できれば幸いです。

【概要 / あらすじ】

タイトルは、イタリア語で”Gli ignoranti”(原作のフランス語では”Les ignornants”)、直訳『無知なる者たち』。テーマは「自然農法によるワイン造りと漫画出版界との交流」。

フランス人の漫画家が、有名なワイン栽培家に密着取材し、ブドウ栽培とワイン造りの1年を描くドキュメンタリー。漫画でドキュメンタリーを描くのは日本では珍しいことだが、フランスでは漫画は「9番目の芸術」と認識されるほど、社会性、芸術性に富んでいる。これが「バンド・デシネ(Bande dessinee)」(一般にBDという略称で呼ばれる)という一つのジャンルを成している。

本書の舞台はフランス北西部のロワール地方。ワイン造りに興味を持った漫画家のエティエンヌは、ワイン生産者のリシャール・ルロワに、一年間の密着取材を依頼する。エティエンヌがワイン造りを学ぶ代わりに、リシャールには出版界を案内するという代替案を提示。それが「相互教育」の道を拓くことになる。

言うまでもなく、フランス・ワインの品質は世界最高峰を誇り、伝統の製法が今も息づいているが、一方で中小の生産者は、安価な新世界のワイン(チリ、アメリカ、オーストラリアなど)の台頭に苦戦を強いられている。彼らは大量生産するために除草剤と農薬を使用するが、すると土地は荒れ、ワインの質は年々劣化する。それを補うためにワインに細工をする、という悪循環を生んでいる。

そんな中、リシャールが実践するのは「ビオ・ディナミ農法」という自然との共存を図る農法だ。化学肥料も除草剤も一切使わず、瓶詰めの際に必要な保存料も極力減らすという徹底ぶり。だがその現場は、まさに自然との格闘の場だ。エティエンヌは冬の剪定に始まり、春の棚づくり、夏の除草作業など、一年間の熾烈な生産現場を共にしながら、次第に自然、そしてワインを敬う気持ちが芽生えてくる。