文法のお話を交えながら、こちらのしおりに書かれていることを解読していきます。

今回は、3番目のフレーズ、

Perché un libro è la prova dell’esistenza dell’invisibile

[ペるケ ウン リーブろ エ ラ プろ―ヴァ デッレズィステンツァ デッリンヴィズィ―ビレ]

…を見ていきたいと思います。

 

Perché [ペるケ]は、「なぜならば」という意味の接続詞です。「本は贈り物としてふさわしい、なぜならば…」のように、「後に続く文の中で『本が贈り物としてふさわしい理由』を述べますよ」ということを知らせるサインとして機能しています。

 

un libro は、「ある一冊の本」という意味でした。

 

è の元の形(不定詞)は、“essere” です。ここでは、“un libro” が “essere” の主語ですので、主語が三人称単数の時の形 ”è” となっています。

 

prova [プろ―ヴァ] は、「証拠」という意味の名詞で、その前には “la” [ラ]という冠詞が付いています。

“libro” の前に付いている ”un” も冠詞ですが、こちらは「具体的にどの本」というわけではなく、「ある一冊の本」という意味を表していて、このような冠詞を不定冠詞というのでした。

一方で、“prova” の前に付いている ”la” は、不定冠詞のように「あるひとつの」ではなく、「特定の」という意味を表します。このような冠詞を定冠詞といいます。

 

“prova” の後ろの “dell’esistenza dell’invisibile” が、「どのような」証拠なのかを表しています。どのような証拠なのかということが特定されているため、“prova” の前には定冠詞 “la” が付いているのです。

 

それでは、どのような証拠なのかを見ていきましょう。

esistenza [エズィステンツァ] は「存在」という意味の、

invisibile [インヴィズィ―ビレ] は「目に見えないもの」という意味の名詞です。

 

“dell’esistenza dell’invisibile” の中の “dell’ ” という部分は、前置詞 “di” と、定冠詞 “la/il” が結合した形です。(イタリア語では、前置詞のうちのいくつかは定冠詞と結合します。)

 

diにはいろいろな用法がありますが、ここではどちらの “di” も「限定」の意味で使われています。(日本語では「~の」と訳される場合が多いです。)

それぞれ、

“dell’esistenza” [デッレズィステンツァ] 「存在の」

“dell’invisibile” [デッリンヴィズィ―ビレ]「目に見えないものの」

という意味を持ち、

“dell’esistenza dell’invisibile” では、「見えないものの存在の」という意味になります。

 

“la prova dell’esistenza dell’invisibile” で、「見えないものの存在の証拠」という意味になり、文全体では、次のようになります。

 

Perché un libro è la prova dell’esistenza dell’invisibile

なぜならば、本は見えないものの存在を証明するあかしだからだ。

 

次回は、4番目のフレーズ ”Perché chi lo riceve ricorderà per tutta la vita, te e il libro”を見ていきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。