文法のお話を交えながら、こちらのしおりに書かれていることを解読していきます。
今回は、2番目のフレーズ、
Perché* un libro è* leggero anche se pesa
[ペるケ ウン リーブろ エ レッジェーろ アンケ セ ペーザ]
…の、前半部分(Perché un libro è leggero) を見ていきたいと思います。
*“Perché” と ”è” の、”e” の上についている記号は、アクセント記号です。
“é” と ”è”は、発音するときには、どちらも同じように「エ」と発音すれば大丈夫ですが、書くときには、使い分けたほうがよいです。
アクセント記号付きの単語を覚えるときは、アクセント記号の向きも一緒に覚えるのがおすすめです。
Perché [ペるケ]には、いろいろな使い方がありますが、ここでは「なぜならば」という意味の接続詞として使われており、「本は贈り物としてふさわしい、なぜならば…」のように、「後に続く文の中で『本が贈り物としてふさわしい理由』を述べますよ」と知らせるサインとして機能しています。
“un libro” は、「ある一冊の本」という意味でした。
“leggero” [レッジェーろ] は、「軽い」や「気楽な」という意味の形容詞です。
“un libro leggero” とすると、「軽い(気楽な)本」となりますが、ここでは、“un libro è leggero” のように、“un libro” と “leggero” の間に、”è” がはさまっています。この ”è” は、“un libro”と “leggero” を結び付けて、「(ある一冊の)本は軽い(気楽である)」ということを表しています。
イタリア語の動詞は、さまざまな形に変化し、いろいろなことを表すのでした。
”è” のもとの形(不定詞)は、“essere” [エッセれ]です。
“essere” は、”è” という形に変わることによって、その文が事実を表現し、現在のことを述べており、主語が3人称単数(「彼/彼女」「それ」など)であることを表しています。教科書などでは、この形のことを「直説法(事実などを表す表現方法) 現在 三人称単数形」と呼ぶことが多いです。
主語に合わせて動詞の形を変化させることを「活用」といいます。
動詞には、規則的な変化をする「規則動詞」と、不規則な変化をする「不規則動詞」があります。
“essere” は、不規則動詞です。
本文からは離れてしまいますが、“essere” の「直説法現在」の活用を見てみましょう。
(補足)
■イタリア語では主語に応じて動詞の形が決まるため、主語が明確な場合や、主語を強調する必要がない場合には、主語を省略することが一般的です。
■イタリア語では、二人称単数が主語の場合、相手(主語)が、自分と親しい間柄か、そうでないかによって動詞の形が異なります。
親しくない間柄の人に対して使う形(敬称)は、「三人称単数形」と同じですので、「三人称単数」のカテゴリに、
親しい間柄の人に対して使う形(親称)は「二人称単数」のカテゴリに入っています。
■この “essere” のように、形容詞や名詞を従えて、主語の性質や状態などを表す述部を作る動詞を「コピュラ」(イタリア語では、copula [コープラ])といいます。形容詞は、名詞を修飾する以外にも、述部になることができるのです。
イタリア語の動詞は、さまざまな形に変化はしますが、そのほとんどが規則どおりに変化をする「規則動詞」です。また、“essere”のような、不規則な変化をする「不規則動詞」は、よく使う動詞であることが多いため、使っているうちに活用形を覚えてしまうでしょう。
それでは、“Perché un libro è leggero anche se pesa” の、前半部分“Perché un libro è leggero“を解読してみましょう。
「なぜならば、ある一冊の本は軽いからです」のようになります。
ここでは “leggero” を「軽い」としましたが、「軽い」なのか、「気楽な」なのか、はたまたほかの意味なのかは、文全体を見てから決めていきたいと思います。
次回は、2番目のフレーズ ”Perché un libro è leggero anche se pesa” の、後半部分(anche se pesa)を見ていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
◆もしよろしければ、こちらの動画もご覧ください。
「アクセント記号」についての解説は、03:07~、
「動詞概要」についての解説は、06:15~です。
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