文法のお話を交えながら、こちらのしおりに書かれていることを解読していきます。
今回は、2番目のフレーズ、
Perché* un libro è* leggero anche se pesa
[ペるケ ウン リーブろ エ レッジェーろ アンケ セ ペーザ]
…の、後半部分(anche se pesa)を見ていきたいと思います。
anche [アンケ]は、単独で「~もまた(…である)」、
se [セ]は、単独で「もしも」という意味を持ちますが、
anche se [アンケ セ]で、「~にもかかわらず」という意味になります。
“pesa”は動詞です。
不定詞は pesare [ペザーれ]で、「重さがある、重い」という意味です。
“pesa”は、”pesare” の直説法現在三人称単数形(主語は ”un libro” )です。
イタリア語の動詞は、次の3つのグループに分けられます。
-areで終わるもの(語尾が-are)
-ereで終わるもの(語尾が-ere)
-ireで終わるもの(語尾が-ire)
規則動詞は、それぞれのグループの規則に従って活用されます。
“pesare” は、-areで終わる規則動詞です。
直説法現在ではどのように活用されるのか、見ていきましょう。
“pesare” は、”pes-” と “-are” の二つのパーツから成り、”pes-” の部分を「語幹」、”-are” の部分を「語尾」といいます。
規則動詞においては、語尾の形を変化させることによって動詞を活用します。
-areで終わる規則動詞の語尾は、直説法現在のとき、主語に応じて、
-o
-i
-a
-iamo
-ate
-ano
という形に変化します。
それでは、ここで問題です。
amare [アマーれ]は、「愛する」という意味の規則動詞です。
「私は愛している」と言ってみてください。
★☆★☆★
amareは am-と -areの二つのパーツから成ります。
主語が「私」のときは、-areの部分を-oに変えますので、
答えは、”Amo.” となります。
それでは、次の問題です。
「ルイージ*は愛している」と言ってみてください。
*ルイージ(Luigi)は、男性の名前です。
★☆★☆★
主語が「ルイージ=彼」のときは、-areの部分を-aに変えますので、
答えは、”Luigi ama.” となります。
“Amo.”「私は愛している」、”Ama.”「彼は愛している」という文を見ると、「誰を?何を?」と聞きたくなりますね。
「私はローザ*を愛している」は、どのように表現すればよいでしょうか。
*ローザ(Rosa)は、女性の名前です。
“amo”「私は愛している」の後ろに、私が「愛しているもの」を置くと、「私は~を愛している」という意味になります。
“Amo Rosa.” で、「私はローザを愛している」となります。
それでは、問題です。
「ルイージはリディアを愛している」と言ってみてください。
★☆★☆★
“Luigi ama”「ルイージは愛している」の後ろに、「ルイージが愛している人=リディア」を置けばよいので、答えは、”Luigi ama Lidia.”となります。
「ルイージはリディアを愛している」の「~を」にあたる部分は、動詞の表す動作を受けています*。
「動詞の表す動作を受けるもの」を、「直接目的語」といいます。
(*愛しているのは「私」で、愛されているのは「ローザ」です。主語と直接目的語は、「する・されるの関係」になることができます。)
直接目的語を持つことができる動詞を、「他動詞」といいます。
一方、”pesare”「重さがある、重い」は、「何かをどうする」ということを表現するタイプの動詞ではないため、直接目的語を持つことができません。直接目的語を持つことができない動詞を、「自動詞」といいます。
それでは、”Perché un libro è leggero anche se pesa” を解読してみましょう。
「(本は贈り物としてふさわしい)なぜならば、ある本は(重量が)重いにもかかわらず、気軽だからだ」となります。
もう少し自然な日本語に直すと、「(本は贈り物としてふさわしい)なぜならば、本によっては、重いにもかかわらず、気軽に読めるからだ」のような感じになるでしょうか。
次回は、3番目のフレーズ ”Perché un libro è la prova dell’esistenza dell’invisibile”を見ていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。